飲食業界を救うのは、ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーしかないだろ?
現場で指揮を振るう経営者、部門長、マネージャー陣はどのような企業内リソースを駆使し、次世代に組織をシフトさせていけばいいのでしょう。
企業哲学としての オペレーション
飲食店で日常的に使うオペレーションは、どの企業にも存在するはずです。
日常の企業活動そのものがオペレーシ ョンだと考えることもできます。
オ ペレーションは企業経営を支える基盤であり、競争力の源泉とも言え、非常に重要な領域です。
オペレーションを強くするために最も大切なことは、オペレーションに対する哲学をしっかりと持つべきです。
すなわち、「オペレーションは、企業経営を支える屋台骨であり、競争力を大きく左右する」ということを、僕たち経営陣だけではなく一般従業員にまで浸透させる必要があります。
例えば、飲食店内のルールや日々変わるメンバーに対するポジション決めから想定外の事案が発生した場合の対処法などもオペレーションですし、CEOからの指示に対してどの様な社内経路で店舗の店長まで具体的に再現可能な状態で指示が下りていくのか、その指示を店長がどの様に自店従業員に浸透させるのかまで全てがオペレーションであると言うことが出来る。
オペ レーションの重要性をトップから現場の従業員まで全員が認識していることが重要で、 伝達や指示の仕方まで改善し進化させることに積極的に取り組み、その改革的な姿勢が全体的に浸透しその組織の哲学や信念として根付いていることが今後の飲食企業において市場に取り残されない為の戦略策定のイロハのイです。
経営陣だけでなく、現場の人間までが自分の仕事だけを考えるのではなく、仕事の流れを掴み、一連の流れをより効率的に、よりスピーディーに、より正確にするにはどう工夫すべきか?と各チームを牽引する主力メンバー個々が真剣に考えて頂ける組織作りが大切です。
強い組織とは、オペレーションの重要性を主力メンバーが強く認識できており、オペレーション改革に対して組織の哲学や信念として粘り強く改革を続けていく姿勢を社内全体に徹底させ、それが組織哲学とまで昇華している必要があります。
飲食経営においてのオペレーションの位置づけ。
経営は大別すると3つの要素で構成されます。
1つ目は、経営の芯棒とも言えるビジョン(Vision)。
2つ目は、競争戦略(Competitive Strategy)。
3つ目が、オペレーション(Operation)です。
この3つはそれぞれが相互に影響を及ぼし合っており、1つでも不十分なものがあれば、競争上の優位性を確立することは難しくなります。
ビジョンは人間の「心」に当たります。
競争戦略は 「頭」に当たります。
そしてオペレーションは「体」に当たります。
このうち競争戦略については、ハーバード・ビジネススクールのマイケル・E・ポ ーター教授が、定石とも言える基本的な考え方を示しています。
競争優位を生み出すための戦略は、
1、コスト・リーダーシップ戦略
2、差別化戦略
3、集中戦略
競争戦略はこの3つに集約できます。
しかし、オペレーションを明確に体系的な考え方や方法論に基づいて提示するものがないのが実情です。
現在、飲食経営でも高まるオペレーションの重要性。
経営における、3要素の相対的な重要性は時代によって変化してきた。
一般的に言って、1980年代以前の日本企業は、「頭」に当たる競争戦略の部分が 相対的に弱かった。
高度経済成長という市場環境に恵まれ、規制の壁に守られていたこともあり、他社との差別化を真剣に考えなくても何とかやってこられたからです。
しかし、80~90年代に世界規模での市場経済化が進むと、右肩上がりの経済成 長や規制に依存できない自由競争にさらされるようになった。すると、合理的かつ独自性の高い戦略シナリオが必要になってきました。
市場経済下のビジネスゲームは、研ぎ澄まされた競争戦略を打ち出すことができるかどうかの、知的タフネスさを競うゲ ームでもあったからです。
こうして競争戦略の重要性が高まり、さまざまな企業が注目するようになりました。 そして現在、競争戦略で差別化を図ることは難しくなりつつあります。
ITの進展やグロ ーバリゼーションが加速したため、競争戦略そのものの持続性や独自性が低下してきているからです。
インターネットの進展による情報化社会がグローバルとなり、海外も含めた競争相手の動向は今までとは比較にならないほど短時間で、正確に把握することができる。
端的に言えば、どこかの企業が優れた戦略シナリオを描いても、競合他社が瞬く間に似たような戦略を打ち出し、追随する(ミート戦略)事が日常的に起こっているのです。
これは、遅れている飲食業界でも大手飲食企業同士の競争の中から始まり、現在の飲食業界のシーンでは非常に過熱になっている状況です。(2019年現在)
画期的な技術革新や特許を伴ったハードウエアであれば、その優位性を長く維持することができる。
しかし、ちょっとしたアイデア商品、ましてや無形のサービスとなると、瞬く間に類似の商品やサービスが市場に投入される。
もちろん、常に他社の一歩先を行く戦略シナリオを継続的に展開しているストラテジック・カンパニー(Strategic Company)は存在します。
宅配便の分野で、他社に先駆けて新しいサービスの開発を続けるヤマト運輸などはまさに好例。
しかし、先行者利得はあったとしても、同業他社が類似の商品やサービスを出すのは時間の問題であり、競争戦略の独自性だけで勝負するのは難しい時代になってきています。
そうなると、より重要性を増すのが「体」の部分、すなわちオペレーションです。
企業の意図しているところ、やろうとしていることが同じであれば、それを着実にスピーディに遂行できるかどうかが、正に勝負の分かれ目となってきます。
例えば、同じ宅配便のサービスでも他社よりも早く、正確に、顧客に満足を与えるやり方で、かつコストをかけ過ぎずに荷物を届ける ―― 。
こうした企業に顧客は集まり、ビジネスの勝敗が決まっていく。そうなるともはや戦略の問題ではなく、 それを実行するオペレーションが決め手となりますよね?
これが、僕が飲食業界に伝えたい教育プログラムです。
主軸となる組織内社員のイントレプレナー化構想です。
遅れている飲食業界内にて圧倒的な存在感と差を生み出す構想なのです。
飲食経営のオペレーションを生かした競争戦略とは?
オペレーションが競争優位の源泉になるのであれば、「オペレーションを強くし、活用することによって、新たな競争戦略を策定する」という逆転の発想も可能になります。
人間の身体能力にその人固有の得意・不得意があるように、企業のオペレーションにもその企業に固有の得意・不得意があります。
例えば、仕事をスピーディにこなすことが得意だったり、ミスなく完璧に行うことに優れていたりと様々です。
このような、企業が得意とするオペレーションを「組織能力」(ケイパビリティ:Capability)と呼びます。
そして、これを最大限に生かして策定した競争戦略を、ケイパビリティ・ベ ースド・ストラテジー(組織能力を生かした競争戦略:Capability Based Strategy) と呼ぶのです。
僕のイントプレナー育成戦略は正にコレです。
その為オペレーションが弱く、マニュアルで育てられ作業員で埋めつくされたマネージャークラス以下は悲惨な状況です。
しかも、更に大手飲食チェーンはM&Aの連続でビジョンの統合性もなくガタガタです。
僕はここに目をつけ、自社の強みを意図して作り出す為に、幹部社員を作業員化しない様に教育に力を入れ、イントプレナーをじっくり育成する事により様々なオペレーションを強化し、他社との圧倒的な差を生み出そうとしました。
更に、イントプレナーと呼ぶに相応しい成長を遂げた方たちがクレドをより具体的な解釈の元、実施する労働環境は非常に理想的な形で ES (Employee Satisfaction 従業員満足度 ) 、CS(Customer Satisfaction 顧客満足)を生み出す可能性を感じずにはおれません。
飲食経営陣はAI,5Gが変える一歩先の未来の人余り時代に対する対策を講じよ。
この先の飲食業界の未来にはテクニカルスキルがほとんど差別化として通用しない中でのゲームとなります。
真摯に人と向き合い、従業員を育て、オペレーションを整えないでそろばんだけで企業を維持できると思っているならそんな経営者は陳腐すぎます。
飲食はバカがやってる業界だと言われても文句なんて言えないでしょう。