飲食業界の経営者・幹部社員が学ぶべきケイパビリティを腹落ちするために、ダニエル・ゴールドマンを引用してみる。

飲食業界の経営者・幹部社員が学ぶべきケイパビリティを腹落ちするために、ダニエル・ゴールドマンを引用してみる。

 

今回は、飲食業界の経営者・幹部社員、または幹部社員を目指す人に向けて記事を書きます。

中小零細または個人の飲食店経営者は、従業員が入社し、継続して頂けているだけで感謝でいっぱいだと信じていますが、入社し育成しなければ事業の継続すら危ぶまれますよね?

やはり、パンデミック後を見据え、超競争時代に備える準備を着実にしていくべきです。

そんな中、一番に経営者を悩ませることは、幹部社員の育成ではないでしょうか?

なかなか思うように育たない幹部候補生に、精神的に消耗し尽くした。。。

しかし、事業継続の為、自分が最大限にコストを注入して事業を継続した先に、良い人材に巡り合えるはずだとセルフエフィカシーを高める事に集中して日々の努力を積み重ねられていると思います。

しかし、その行動の先に本当に良い人材が入社してくれる可能性はどのくらいなのでしょうか?

とはいえ、創業から間もない目の前の事業を高めることに集中すべきだし、人材を一から育てるコストが惜しいのも理解できます。

そこで心理学者ダニエル・ゴールドマンの理論を学ぶことで、自事業の従業員に対する視点をずらすことでケイパビリティを向上させ、組織力を生かした競争戦略をもう一度、考えてみませんか?

ケイパビリティ・ベースト・ストラテジーに関しては過去記事で詳しく解説しています。
そちらをお読みください。

過去参考記事:飲食業界を救うのは、ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーしかないだろ?

心理学者ダニエル・ゴールドマンの足跡を追ってみよう。

ダニエル・ゴールマンはジャーナリストとして活躍しながら、1995年、Emotional Intelligence.(邦訳『EQ こころの知能指数』講談社、1996年)を出版。

全世界で500万部、日本でも80万部の販売部数を記録する大ベストセラーとなりました。

この頃からEQまたはEIは、

Emotional Intelligence(こころの知能指数)
ビジネスシーンでは欠かせないキーワードになりましたよね?

1998.(邦訳『ビジネスEQ』東洋経済新報社、2000年)を出版。

ダニエル・ゴールドマンは、

業績の優れた経営幹部と平均的な経営幹部とを比較すると、

業績の優れた経営幹部の場合、地位が高くなるほど、EQの構成要素がリーダーの資質の中心へと位置するようになり、能力差のほぼ9割はIQではなくEQにあることを確信し、リーダーシップの種類を分類。

リーダーシップのスタイルは、

「強圧型」
「権威主義型」
「親和型」
「民主主義型」
「先導型」
「コーチ型」

の6種類があり、それぞれ異なるEQの構成要素を基盤にしている事を発見。

ただし、
最高の成果を出しているリーダーは、特定のリーダーシップ・スタイルに依存しているわけではなく、状況の変化に応じて、たえず6種類のリーダーシップ・スタイルを変えていることが判明しました。

組織風土は当然リーダーシップ・スタイルに影響を受けますよね?
リーダーシップの質によってケイパビリティも変化するという意味です。
EQが高いレベルにあると、
組織メンバーの情報共有、信頼感、組織学習が成果に結びつきやすくなり、また、戦略の実効性の高い環境が組織に生まれます。
よーするに、経営者または幹部社員が最善の組織環境の形成を求めるのであれば、EQに根ざしたリーダーシップへの自己変革が求められることになる訳です。
ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーは、このようにして経営者もしくは幹部社員が自己変革を求め、実行した成果として得られる成果物であり、組織としてのゴールを再定義し、コンフォートゾーンすらも引き上げる事になります
ダニエル・ゴールドマンの『ビジネスEQ』は、リーダーシップにおけるEQの重要性と、リーダーがEQを高めるための自己変革プロセスを提言した内容でリーダーシップを発揮すべき経営者または幹部社員は読むべき内容になっています。
ただし、『ビジネスEQ』は有用な提言でしたが、「優れたリーダーシップはどのようにつくられるのか」という命題に対する完璧な答えとはいえなかった。
2007年に(邦訳「SQ生きかたの知能指数」日本経済新聞出版社、20007年)を出版
そこでダニエル・ゴールドマンは、「優れたリーダーシップはどのようにつくられるのか」という命題に対して、脳神経科学の知見から、優れたリーダーの才能とは何かを検討。
そして、優れたリーダーとは、
多数の人との関わりから、みずからの行動を通じた脳の相互作用を最大限に生かして、「SQ(Social Intelligence Quotient:社会性の知能指数)」を形成していることを示しました。

SQとは、組織メンバーの意欲や能力を引き出すものであり、対人関係や社会性に関わる神経回路や内分泌系に支えられている。

SQの高いリーダーと低いリーダーとを比較すると、その業績には大きな開きがあり、それは、優れたリーダーはSQが発達していることを意味しており、ダニエル・ゴールドマンは、EQの概念をSQとして拡張することに成功しました

対人関係や社会に対する集中力が高いことに他ならない。優れたリーダーは、ある1つのことだけに集中力を発揮するのではなく、常に内省しながら、他者や外界に対する集中力を自由に操り、いち早く対応することができる。

 

ケイパビリティを強化するSQ(社会的知能指数)診断

詳しく解説する前にお遊びです!

SQに対する診断が出来るサイトがありますので、診断してみて下さい!

▶診断する

 

ーSQ診断の結果-

あなたのSQ(社会的知能指数)は高いようです。
人をまとめて先導していく能力があります。
社会的能力が高いと自分だけでなく他者の能力を存分に発揮させられるようになります。
それは掛け算式に大きな力となります。
利益だけでなく精神的な幸せを生む事もできるでしょう。

おー!なかなかー。
でも、もっとSQ高くなきゃ!

ケイパビリティを強化するSQ(社会的知能指数)とは、

このSQ診断は何を測定してる?
・ 共感力
・ 思いやり
・ 組織理解
・ 影響力
・ 人材育成
・ 啓発
・ チームワーク

1.共感力

  • 自分と経歴の異なる人たちの動機づけ要因を理解できるか。
  • 他人のニーズに敏感か。

2.思いやり

  • 相手の言葉に熱心に耳を傾け、その胸の内を想像できるか。
  • 他人の気分を推し量ろうと努力するか。

3.組織理解

  • グループや組織の、文化や理念を重んじているか。
  • 人脈の重要性を理解し、組織の不文律を承知しているか。

4.影響力

  • 他者を議論に巻き込み、彼らの利害に訴えかけることで、相手を説得できるか。
  • キー・パーソンから支援を取りつけられるか。

5.人材育成

  • 他人へのコーチやメンターに、思いやりの心を忘れることなく、自分の時間と熱意を傾けているか。
  • 他人にフィードバックし、「ビジネスマンとしての能力開発に役立った」と感謝されているか。

6.啓発

  • 心揺さぶるビジョンを描き、グループとしての自信を高め、前向きな感情を育んでいるか。
  • 人材の力を最大限に引き出しているか。

7.チームワーク

  • チーム・メンバー全員に、意見や提案を求めているか。
  • チーム・メンバー全員を後押しし、協力を促しているか。

SQ(社会的知能指数)を経営に落としこむ事って。

ようするに、経営者・幹部社員がヒューマンスキルを劇的に高めることを指すんですね。

組織としてのエフィカシーを向上させる組織的な取り組みこそが、成長の源泉として理論的にダニエル・ゴールドマンが提唱してくれている訳です。

否定しない、褒めて伸ばす的な教育と様々な表現で過去から言われてきた本質はちっとも変っていません。

変わっていくのは、効率を優先させ過ぎる経営者と幹部社員なのです。

もう少し、後ろを振り返りながら自事業を進めてみませんか?

それこそが、最大の防御にして最大に成長に繋がるのですから。

 

飲食業界の経営者・幹部社員が学ぶべきケイパビリティを腹落ちするために、ダニエル・ゴールドマンを引用してみるのまとめ。

さて、ここまで見て頂いてケイパビリティの強化を重要事項として経営者が捉えた場合に、自己変革は必須で何もコレといった教育を目指したり、取り入れたりするのではなく、経営者もしくは幹部社員の心の持ち方で全てが変わり、それが組織の強化に繋がることが理解出来ましたよね?
よーするに、
リーダーシップの質によって、ケイパビリティも良くも悪くも変化する。
リーダーシップの質によって、情報共有、信頼感、組織学習が成果に結びつく。
良質な組織を発展させるケイパビリティはリーダーシップの質を高めようとする経営者・幹部社員の自己変革によって、実行した成果として得られる成果物であり、組織としてのゴールを再定義し、コンフォートゾーンすらも引き上げる事になります。
コレが、ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーの前段として必要だよって話でしたー。
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