飲食業界のマニュアルによる教育こそ業界の文化を形成し、飲食人を酷く貶めているものだ。

飲食業界のマニュアルによる教育こそ業界の文化を形成し、飲食人を酷く貶めているものだ。

今回の記事は飲食業界の経営者・幹部社員・飲食で更に突き抜けたいと考える人に向けて記事を書いていきます。

幹部育成に躓く飲食企業の落とし穴

✓飲食業界の多くの従業員が刹那的な生活を過ごし、自分の人生にも関わらず、成長しよーとする動力を主体的に持たない飲食業界の従業員。

✓対して、組織として人材育成のプログラムに高額な費用を掛け、有給で研修に行かせても何の成果も得れないと嘆く飲食業界の経営陣。

上記のような構図が、永遠に続くかのように飲食業界で幹部育成に頭を悩ます経営陣は多いはずです。

今回はそんな経営陣に対して、一抹の光になれる様な提言をしたいと思います。

今回の提言に瞬発力を発揮できた企業は、Afterコロナがもたらした新しい市場で飛躍していくと確信しています。

とはいえ、

内容が非常に難解であり、飲食業界の経営陣であってもこの記事の明瞭な解釈が難しいです。

この記事の問い合わせと実施方法については、一番下までスクロール頂くと問い合わせフォームがございますので、そちらから「ご相談の依頼」をお願い致します。

それでは、難解な解を解読していく様に、順を追って解説していきます。

組織人事コンサルタントが飲食業界に行う人材開発は金と時間の無駄。

優秀な組織人事コンサルタントは飲食業界で社員開発なんて本音では出来ない事を知っているはずです。

実際に飲食業界の多くの企業は様々な動機により、組織人材コンサルタントにご依頼していると思います。

✓やはり、人材を人財に変えれるのは、外部だ!…と。
✓組織人材コンサルに評価させて、要らない人材を削るんだ!
✓組織の見える化だ!組織に横串を差せ!

など、その時のトレンドによって様々なアイディアが会社に持ち込まれた事でしょう。

しかし、成果主義の名のもとに社員の採点を目的に行われた研修は、リストラや不当評価に繋がると猛烈な反発を受ける一方、多くの社員からは意味がない・価値がないと関心を得れなかったはずです。

時にはワークショップを活用した交流会風のコミュニケーション強化をはかり、一部の従業員だけが楽しむだけで終わったり。

違う企業では、トップダウン型からボトムアップ型に切り替えるんだと、組織に横串を通す目的に役職を解体し、結果として古参の猛烈な反発を受け、横串を通している場合じゃなくなったり。。。

組織の事情、経営者の組織を見据えている景色で、組織人材コンサルタントに持ち込まれる依頼も千差万別であり、生々しい人間模様・思惑が交差するのですが、結論としてコストに見合った成果を得た飲食企業はあるのでしょうか?

組織人材コンサルタントは一貫して、組織開発は、古今東西を問わず、企業にとっては重要な課題だ!

と一貫して熱く語るが、果たして彼らの言う「組織論」は価値があるのでしょうか?
疑問しか残りません。というか、失笑しか出ません。

現在、組織人材コンサルタントが新たに力を入れているティール組織について少し触れます。

ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

(著書フレデリック・ラルー)が日本では2018年に発売され、
翌年の「ビジネス書大賞2019」経営者賞、「読者が選ぶビジネス書グランプリ 2019」マネジメント部門などを獲得し、サイボウズの社長を務める青野慶久さんが、ティール組織に魅せられたのは有名な話です。

よーするに、ティール組織とは社長や上司がマイクロマネジメントをしなくても、目的のために進化を続ける組織のことで、指示系統がなく、メンバー一人一人が自分たちのルールや仕組みを理解して独自に工夫し、意思決定していくという特徴が見られる。

一見すると、理想論というか、宗教じみてて現実的でないと批判もされています。
著書のラルーは、ケン・ウィルバーのインテグラル理論における「意識のスペクトラム」を元に、組織フェーズを5段階に分けてとらえている。
Red組織 個人の力で支配的にマネジメント
Amber組織 役割を厳格に全う
Orange組織 ヒエラルキーは存在するが、成果を出せば昇進可能
Green組織 主体性が発揮しやすく多様性が認められる
Teal組織 組織を1つの生命体としてとらえる

ティール組織への5つの段階(Red組織➡Teal組織へ)

特徴的なのは、ティール組織はレッド組織以降の組織の進化を内包しているらしいです。
ティール組織は突然変異的に生まれた組織のあり方ではなく、進化の過程で必要なものを組み込んだ結果、誕生するそーです。

現在の大半の組織はOrange組織に区分されているらしい。

red組織は、メタファーはオオカミの群れです。
組織運営の特徴としては、特定の個人の力によって支配的に運営するスタイルとなります。
Amber組織は、メタファーは軍隊です。
組織運営の特徴としては、上意下達で厳格な社会的な階級に基づくヒエラルキーによって情報管理を行い、指示命令系統が明確な状態で運営するスタイルです。
Orange組織は、メタファーは機械です。
組織運営の特徴としては、コハク組織のような厳格な社会的階級ではなく、社長や従業員等のヒエラルキーを持ちながら、成果を上げた従業員が評価を受け、出世することができる運営スタイルです。
Green組織は、メタファーは家族です。
オレンジ組織同様、社長や従業員等のヒエラルキーを残すものの、オレンジ組織のように機械的な働き方ではなく、もっと人間らしく生まれ持った主体性が発揮され、個人個人の多様性が尊重されるような組織を目指す運営スタイルです。
Teal組織は、メタファーは生命体です。
グリーン組織以前のように、組織が社長や株主のものではなく、一つの生命体であり、メンバーは生命体である「組織の目的(進化する組織の目的)」を実現し続けるために、共鳴しながら関わっていると捉えているのがティール組織の特徴です。

ティール組織では組織の目的を、

進化する目的「Evolutionary purpose」(エヴォリューショナリーパーパス)としてます。
なぜ、進化する目的だと言うと、
組織自体を、株主や社長の所有物ではなく、1つの存在、生命体と捉えているからで、生き物に生きる目的があるのと同じように、組織が生きているため、目的を有しているという発想です。
ココまで見てどう感じましたか?
目指す目的に対する理論は理解できますが、現実にはあらゆる問題が起こりそうです。
理想的だから自社に導入しよーと考える間もなく、幾多の困難を想像出来てしまいます。
ティール組織じゃなくても、もっと軽い「組織論」であっても、それなりに優秀な企業が取り組んだとしても、革新的な組織改革どころか、現状追認で若干の修正が施される程度でしょう。

皆さまの管理する企業では今までの組織改革はどうでしたか?

僕は、25年間飲食業界でマネジメント層として現在まで働き、今は年商8億の飲食部門を統率する立場と、飲食店開業コンサルタントとして相当数の飲食業界の人たちとお仕事をしてきました。

また、その経験をもとに「飲食マネジメント経営.blog」でマネジメントを中心に記事を書いていますが、その経験上言える事は、飲食業界の組織の中で働く人間の認識能力が、「組織論」の提示する理想についていけないから、「組織論」の現実への適用は、そうとう難しいのだと思います。

何故ならば、あれこれ詳しく理論を解説し、理解させたところで、理解できないのではなく、組織的に実行できないのです。

「組織論」は、組織で働く人たちに対して、自己変革を要求します。

2007年にiPhoneが発売され、ガラケからスマホへの変更をさせられたのとは全く違うのです。

便利なツールを使うように、「組織論」は受け入れられなくて普通なのです。

まして、ティール組織なんて理屈では納得できても、腹落ちしません。

よーするに、絡合(らくごう)なんですよ、ティール組織って。

イワシにはリーダ―はいませんが、反射的に自分より大きい魚に食べられないように群れて大きな塊となり生命活動を行うアレと同じです。

示し合わせた活動ではなく、様々なモノが絡まり交わっている様子で、太古から自然界にある普遍の法則に近い形が「組織論」として究極的だという事なんでしょう。

とはいえ、ちょっと待てとなりますよね。。。

じゃなけりゃーやはり宗教的なんですよ。

ピーター・M・センゲが、学習する組織を作り上げるために提唱した「自己マスタリー」思想も同じです。

自己マスタリーは、能力やスキルを土台にしているが、それらにとどまるものではない。精神的な成長を必要とするが、心を解き明かす、あるいはオープンであることにとどまるものでもない。

それは、独創的な仕事として自分の人生に取り組み、受身的な視点ではなく、創造的な視点で生きるということなのだ。
(学習する組織 英知出版)

こうした「精神的な成長」「自己変革」を一介の企業が半強制的に成し遂げようとしたときに起きる摩擦は、想像に難くありません。

特に飲食業界の人は考えを変えたがらない
単純に言えば「組織変革」とは、従業員をこうした思想、あるいは規律に従わせることに他ならず、「組織論」とは、その思想の種類を述べているに過ぎません。

そして、多くの人はたとえ自分が間違っているとしても、他者からの要求で自分の考え方を変えることを良しとしません。

とはいえ、

経営の神様と称された松下幸之助は「宗教」をみて「経営」を悟ったと言っています。
経営の神様は、どのような「組織変革」を用いて、経営の神様に成りえたのでしょうか。

一つの規律や思想に沿って、組織を運営しようとすれば、「経営」が「宗教」的になるのは、当然のことでもあります。
しかし、それを松下幸之助はある時から導入し、浸透させたのですから。

例えば、

キリスト教やイスラム教の源流であるユダヤ教には、旧約聖書に様々なルール、すなわち戒律が定められています。

「神の名をみだりに唱えるな」、「週一回の安息日には働くな」、「殺すな」、「隣人のものを欲しがるな」など。

そうした細かなルールを守らせることで、宗教は「思想の浸透」を図るんです。

これって、飲食業界ではマニュアルですよね。

ようするに、飲食業界は組織に入ってきた段階で組織に適応させる為の「自己変革」を強要しており、ここまで飲食業界で働く従業員の中から幹部社員が生まれ難い状況は、自組織が作っているマニュアルによる影響が強い事を意味しています。

効率的に自店舗を回す為のオペレーションを補完するものと捉えていたマニュアルが殊の外に大きな意味を成している事を飲食業界は無自覚すぎるという意味です。

マニュアルは確かにオペレーションを補完する為に、飲食業界の目的である役割を果たしてきました。

しかし、パンデミックにより急速に時代が動いた転換点で、いつまでも飲食業界の負の遺産のような形のマニュアルをそのままにしていても良いのでしょうか?

現在の飲食業界にあるマニュアルは義務教育で植付けられた労働者としてのマインドを更に拡張させる為の道具になっている節があり、このままのマニュアルを運用して幹部社員が生まれる土壌を自社で熟成させる事など不可能です。

入社当時にマニュアルによって主体性を奪い、「使えるようになったら主体的であれ」では、心がついてきません。

マニュアルの使い方そろそろ変えませんかー?

そのほうが、「組織論」を一気に適用して、途中で組織変革を図るよりも、はるかに実効性があり、また堅牢な組織が実現します。

したがって、組織を預かるマネジメント層が知らねばならないのは、演繹的なプロジェクト推進よりも、帰納的なプロジェクト推進をすべきです。

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