職人の世界にもマネジメントを活用しよう。現代マネジメント論2.0

職人の世界にもマネジメントを活用しよう。
現代マネジメント論2.0

 

今回は、マネジメントについて明確に理解したい方に向けて記事を更新します。

 

マネジメントは組織論には欠かす事のできない論理で経営=マネジメント。
自ら部下を率いる方、または今後マネジメント層として経済活動を行いたい方は必見です。

英単語のマネジメントは「経営」や「管理」などの意味を持ちますが企業におけるマネジメントは「経営管理」や「組織運営」などを意味します。

具体的には、組織の成果を上げるためにヒト・モノ・カネなどの経営資源を効率的に活用し、リスク管理を行って、あらかじめ設定した組織の目標やミッション達成を目指すことをいいます。

マネジメントがない組織の悲劇的な状況とマネジメントの必要性。

 

それでは現在、職人の世界で起こる大きな過ちについてマネジメントを交えて解説してみたいと思います。

 

技術が必要な現場ほど、技術だけじゃ飯は喰えない!
マネジメントの必要性。

飲食業界に限らず、技術を要する現場って上から下までマッチョ主義だから衰退も早いです。

創業から10年継続できる企業は国税庁の発表では6.3%としています。

よーするに1000社創業したら10年後には63社以外は倒産・廃業している事を意味します。

 

この10年倒産・廃業説について推察します。

小さい組織の時は優秀な創業者のカリスマや組織内で牽引するスタープレーヤーのカリスマなどで組織を維持するのですが、組織が軌道に乗り大きくなるとそれだけでは限界が訪れます。

しかし、優秀で強力な創業者や他者を牽引する程のスタープレーヤーほどマッチョ主義です。

自分にも厳しく、他人にも厳しい。。。

よーするに、ワークアズライフで生きているのです。
マズローの5段階説でいう自己実現欲求に火を灯し、自己ブースト状態です。

カリスマ創業者の牽引力は素晴らしく強烈ですから、高確率でそこそこ組織は大きくなっていきます。

そして、カリスマ創業者の影響力が一人一人に及ばなくなる程に組織が成長すると、急速に成長の推進力は低下し続けます。

何故か?

理由は簡単です。

小さい組織の内はそんな強烈なカリスマや牽引力に耐えうる精神の人だけが篩いに掛けられて周りに残るからです。

そして、その強烈なカリスマや牽引力により教育を受け育った人は、組織が大きくなり自分に部下が出来た時に自分が教えられた様に部下に接します。

強烈なカリスマもスタープレーヤーとしての牽引力もないのに。。。

そりゃー誰もついてきませんぜ!笑

これはピーターの法則で説明が可能です。

ピーターの法則とは組織を構成する全員が、それぞれ能力を伸展させ続けなければ組織が有効に機能しなくなるという法則。

そうです。小さい組織の内は強烈なカリスマや他者を牽引しうるスタープレーヤーの牽引力により成果を出し続けるのですが、大きく組織がなってくると、小さい組織の内で有能な能力でも大きな組織になる過程で出世し、能力の限界が訪れ有能だった者も無能な管理職になる。

プレーヤーとマネジメント層では求められる能力値に差があるという事です。

 

小さい組織の中で活躍できた人達は大きな組織の中では能力の頭打ちが起こり、個々の能力に応じて役職層は無能な人達で埋め尽くされる。

これが技術を要する組織あるある。

ワークアズライフで働く事を苦にしない創業時のメンバーばかりではなくなり、ワークライフバランスを重視した働き方を求める多数派が、組織が大きくなる過程で当たり前ですが増えるのです。

だからこそ、マネジメントについての理解と活用を行わなければいけません。
最近の若いもんは!と場末の飲み屋でグチを言っても仕方ないのです。

創業時から成長する過程で一定規模ごとに組織を再編成させるターンが何度も必ず訪れます。
この再編成のターンを見逃すと取り返しがつかなくなることが多々起きるのです。
これも組織あるある。
組織を客観視してくれる人がいるといないで大きな差が生まれます。

 

当然、創業者を含む上に立つ者にはマネジメントを極める責任がありますが、
すぐ下で働く者も同様にマネジメントを極める責任を負うのです。

 

企業を永続的に維持しようと考えれば、優秀なマネジメント層なくして継続などあり得ませんから。

現場力とは所詮テクニカルスキルでしかありません。

組織を継続的に維持しようと思えば、ヒューマンスキルとコンセプチュアルスキルは欠かす事のできない管理者層が学ぶべき重要なスキルなのです。

そして、それらのスキルを行使して行う活動全般がマネジメントなのです。

 

マネジメントについての具体的な解説

具体的には組織の目標を設定して、その目標を達成する為に組織の経営資源を効率的に活用したり、リスク管理などを実施する事を言います。

マネジメントには階層があります。その階層ごとに役割が違うのです。

トップマネジメント。。。経営陣層

企業組織の最上層部を構成して、経営活動の全体的、基本的、長期的、政策的な意思を決定し、活動全般について指揮・監督を行う人ないし機関、もしくはそれらの機能をいう。

ミドルマネジメント。。。管理職層

経営管理の機能、もしくは担当者の階層的構造のうち、トップ・マネジメント(全般管理)とロワー・マネジメント(現場管理)を除いた部分をいう。その機能は、トップの戦略的決定・統合と、ロワーの日常的執行とを連結し、結節することである。具体的職位の典型は部長および課長である。

ロワーマネジメント。。。リーダー層

経営管理の機能もしくは担当者の階層的構造のうち、作業層(非管理の現業活動)に直接接触し、作業活動を指揮・監督する部分をいう。作業者に対する対面的リーダーシップが重要な要件となる。具体的職位としては、係長、主任、職長(フォアマン)、班長、作業長などが典型である。

 

次にマネジメントにおける基本的な仕事を紹介します。

■ 目標を設定する

マネジメントを行う際には、その管理者はあるべき目標とその具体的なゴールを指し示す必要があります。

そして目標が決まれば、その達成の為に何をすべきかを決めます。

そして社員たちにその目標を浸透、理解させる必要があります。

■ 組織する

目標の為に必要な活動、意思決定、関係性などを分析し、その仕事を分類します。

更に仕事を、活動や作業に分類し、それぞれの活動や作業について組織づくりを行います。

■ 動機づけを行う

モチベーション維持を管理します。

管理者は仕事そのものや、インセンティブ、報酬、昇進昇格などによって部下のモチベーションを維持していきます。

■ 評価する

管理者は部下の仕事を評価するための物差しを決定しなければいけません。

これは人材、組織に影響力が大きいもので、社員が組織全体の成果と自分自身の仕事に対して目を向けれる環境作りです。

その後、部下の仕事を分析し、評価し、フィードバックを行います。

■ 人材を育成する

企業にとり、人材は最重要経営資源です。

管理者のマネジメント次第では部下の強みを発揮出来ることもあれば、その強みを引き出せずに終わってしまう事もあります。

 

このように、マネジメントとは総括的な管理・運営に関する全ての業務に対する総称なのです。

 

まずは、意味を明確に認識しましょう。

マネジメントの父P.F.ドラッカーが重要視した4つのスキル

 

マネジメントの父ドラッカーのマネジメントに必要な4つのスキルとは、

〇 的確な意思決定を行う

マネジメントにおける意思決定は、異なる意見や見解の対立、いくつかの案が挙げられている中から選ばれるべきもので、決して全会一致が正しいというべきものではない。

つまり、意思決定をおこなう際には、異なる意見や見解の有無を見極め、それが出て来ない場合には意思決定自体を見送るという選択肢も必要。

よーするに、ロジカル・クリティカルシンキングによる意思決定を用いるという事です。

〇 コミュニケーション能力を磨く

コミュニケーションは受け手が存在して初めて成り立つモノです。

発信する側は受け手側が理解出来るモノなのか、そもそも受け入れられるのかを考えなければなりません。

その上で、受け手は何を期待しているのか、何を欲しているのか、その理由は何か、受け手について知る必要があります。

人に伝わる仕組みについて過去に記事にしていますので過去記事も参考にしてください。
過去参考記事:飲食店で働くというより、人として生きるのに大切な伝わるしくみ。

 

ドラッカーに「手段ではない。組織の在り方そのものなのだ」と言わしめる程、組織にとって重要なものです。

〇 管理能力を高める

組織を管理する上で、重要なのは評価です。

まず設定した目標に対する実績を測定します。どのように評価するのかではなく、何を評価するのかの視点で評価する事。

評価の焦点がしっかりと成果に合っていることが重要になります。

終身雇用から能力主義へ叫ばれてかなりの時間が過ぎていますが、平均的な評価制度を用いている企業の方が圧倒的に多く、能力主義と呼べる組織構造になれていない中小零細企業はまだまだ多い。

〇 経営科学を活用する

経営に関する問題の科学的な解明を目指して研究される分野で、経営の問題を観察し、その本質を見抜く事が重要になります。

この様なテクニックも駆使し、マネジメントを実際に遂行する人のことをマネージャーと呼びますが、組織の成果に責任を持つ者とドラッカーは定義しています。

具体的には組織の目標を設定し、組織を作り、または再編して部下の動機づけやコミュニケーションをはかり、評価し、それを元に人材育成という使命を持った役職です。

会社が進むべき道に必要なパフォーマンス全てが成果となります。

職人の世界にもマネジメントを活用しよう。現代マネジメント論2.0 まとめ

 

この様に組織にはその階層ごとにマネジメントを駆使し、円滑に経営管理をする者が必要です。

コレが効かない組織は崩壊します。

必ず衰退すると言えます。

マッチョ主義では組織を維持出来ないのです。

それでは現在、良質な組織において活用される手法を紹介します。

◆ 組織運営に関するマネジメント

コンフリクトマネジメント

チームマネジメント

チェンジマネジメント

ナレッジマネジメント

プロジェクトマネジメント

◆ 人材管理に関するマネジメント手法

ダイバーシティーマネジメント

タレントマネジメント

パフォーマンスマネジメント

モチベーションマネジメント

行動科学マネジメント

◆ 社員のメンタルヘルスに関するマネジメント

アンガーマネジメント

ストレスマネジメント

メンタルヘルスマネジメント

◆ 情報管理に関するマネジメント

情報セキュリティマネジメント

データマネジメント

◆ その他に関するマネジメント

リスクマネジメント

決してキャリアが長いからとか、数字が強いからやキッチンスキルが高いからとか、ホールスキルが高いから抜擢する様な職種ではありません。

まずは、自分のモチベーションやテンションを外的要因で安易に崩れる者は組織の為に任せるべきではなく、内的要因によりその仕事を果たせない者も同様です。

コレ非常に大切です!
過去参考記事:幹部社員を意識的に育成しよーとしても育成しきれない訳は?

そして、マネジメントを学び、理解し、操れるノウハウを持つ者(組織の成果に責任を持つ者)をマネージャーと呼べるのです。

マネジメントは身近なスキルです。日々の業務の中で誰もが少しは関わってるものです。そして意識すれば、カラーバス効果などで更に自分に引き寄せる事になりますので是非意識しながら仕事を始めてみてください。

最新情報をチェックしよう!